2020年1月24日に国土交通省の地震調査委員会から津波の高さ別による発生確率が発表されましたけど、一番広い範囲で今後30年間3m程度の津波が発生する確率は6%です。見方を変えれば94%以上の確率で30年のあいだ3m程の津波は発生しないということでしょうか。そもそも地震の予測はほぼ不可能で天気予報と違って信ぴょう性はあまりありません。過去の地震の記録を紐解きながら大体の地震の規模を推定して、文献から地震の周期を予測しているだけですから外れても誰も気落ちしません。もし、天気予報が外れたら気象予報士の方は結構非難されますけど、地震の専門家は誰も何も言われることはありませんので気象予報士よりは結構気楽かもしれません。
今回の発表で刻みが細かく発表されましたけれども、最大の津波の高さが22mという前提は変わりませんので大きな変化があるわけではありません。各市町村が今回の発表で何を変えるのかこれから議論が始まります。今回の発表はあくまで確率の低い最悪の事態よりも、確率のやや高い事態への備えを強化しましょうということだと思います。各市町村が今までやってきたことが間違いではなく、軌道修正することがないことを祈りましょう。
津波の高さも範囲も地震の大きさによって様々です。地震の発生原因にもよります。プレート型と直下型地震では津波の発生も変わってきます。今回は南海トラフ地震が対象なので確実に津波は来るでしょうけど、10㎝でも津波は津波です。10センチの津波で亡くなる人はいらっしゃらないでしょうけど、備えは必要です。
昭和19年(1944年)の地震では6~9mの津波、昭和21年(1946年)の地震では4~7mの津波が実際に来ているので、3mの津波が決して過小評価ではないことを皆さんには認識しておいてほしいと思います。日本は地震もありますし、台風もありますし、積雪の深い地域もありますので、複数の被害が重なることもあります。雨の日に地震が起こって津波が来るけれども避難できないという事態も想定しないといけないかもしれません。
10mほどの津波が来ても安全だといえる場所までどのように非難するか。お住まいの地域ではどこが避難場所になっているか。これからは津波の際の避難建物の指定されたものがあるはずなので、それがどこにあるのかもチェックしておいてください。津波が発生してもそれに耐えうる建物が近くにあるはずです。
台風や豪雪やゲリラ豪雨はある程度の制度で避難警報が出るようになりました。(それでも2年前の広島や岡山では大きな被害が出ました)地震や火事は誰も避難勧告を出してくれませんし、ほとんどのメディアは使い物にならなくなります。自分の身は自分で守るしかありません。明日来るかもしれないし、20年は来ないかもしれない、それが自然災害というものです。地震はないだろうといわれていた時代に阪神淡路大震災が来ました。その時に私は2階に住んでいて建物が崩れそうだったので隣の家の庭に飛び降りる準備をして無我夢中でベランダの窓を開けていました。結局家も倒壊はしなかったので、飛び降りずに済んでよかったのですが、あの時飛び降りて足の骨でも折っていたら褒められたのでしょうか。笑われたのでしょうか。今でも地震のニュースを見るたびにあの時の情景が思い浮かびます。
皆さんも津波だけでなく地震や豪雨災害の際にどこに逃げるか、どのように家族と連絡を取り合うのか今一度確認しておいてください。
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