建物の構造計算の流れ

構造設計に触れたことのない人や、これから構造設計士を目指すという人に向けて大雑把に構造計算の流れを紹介したいと思います。大きく分けて許容応力度計算と保有水平耐力計算とに分けることが出来るのですが、基本的に保有水平耐力計算は許容応力度計算を満足してから進むステップですので、今回は省略します。

外力を計算する。

設計する建物の仕上げや用途に合わせて、建物にかかる力の大きさを算定します。大きく分けて鉛直方向に作用する力と、水平方向に作用する力があります。同じような建物でも建てる地域が変われば作用する力が変わってきますので、大変です。鉛直荷重には固定荷重、積載荷重、積雪荷重があります。代表的な水平荷重には風荷重と地震荷重がありますが、特殊な場合には津波や地下の土圧・水圧を考慮して計算する場合もあります。最近の計算プログラムはほとんど形状通りに入力することが出来るため、あまり入力漏れはないのですが、荷重の拾い漏れがあると部材の断面の大きさに変更が出たりするので漏れが無いようにしないといけません。

建物をモデル化する

柱や梁、床、壁を計算しやすいように厚みの無い線や面としてモデル化します。上から見ても、横から見ても四角い建物ならいいのですが、なかなかそんな綺麗な形の建物ばっかりではないので大変です。それでもここが一番の腕の見せ所です。どこに力を集めるのか、力を逃がすのかがこのモデル化の段階で決まるわけですから、悩むところでもあり、上手く想定通りに行けばウキウキするところでもあります。よく、「計算ばっかりしていて構造計算なんて楽しみあるんですか」と聞かれることがあるのですが、このモデル化のタイミングでパズルのピースが上手くはまったような達成感を感じることが出来るのと、建物の骨組みが建ったときの威圧感を感じることが出来るのが楽しみだと思っています。

部材にかかる力を算定する。

ここまでくると残りの作業はほぼ流れ作業に近くなってきます。最初に計算した外力がそれぞれの部材にどれだけの大きさでかかって来るのかを計算するのですが、この段階までくると計算プログラムにお任せする割合が大きくなってきます。私より一回り上の世代では手計算で部材にかかる力を計算していたので、だいぶ時間がかかって設計していましたが、今では部材にかかる力はあっという間に計算プログラムが計算してくれるので、周りの方からすると「構造計算はプログラムがするので一瞬で結果が出るんでしょ」と思っている人が多いのですが私たちも魔法使いではないので一瞬で結果は出ません。それまでの過程があってようやくたどり着いた先に結果があるのです。ここは声を大にして言いたいところで「段取りに時間がかかるんで、大変なんですよ」

判断する。

あとは部材の性能とかかってる力を比べて、想定通りの範囲に収まっているかどうかチェックするだけです。収まっていなければ部材の大きさを調整して再度部材にかかる力を計算するのですが、一つの部材の大きさを変更すると周りの部材にも影響を与えるので手間取ることも多いです。力というモノはよく踏ん張るところには集中的に集まってくるので、変に部材を大きくするとそこに力が集まっていたちごっこのように部材が大きくなることもありますのでバランスが大事です。

まとめ

大事なのは、一つ目の外力の算定と、二つ目のモデル化です。それさえうまくいけばあとは前述したようにAIでもきちっと計算してくれると思います。人間でないと現場の作業手間や段取りを盛り込んだ設計はできないはずなのです。(私はそう信じています。)それでも近い将来、建物の設計自体がAIにとって代わられるという話もあるのでうかうかしてられませんね。

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