鉄骨造の柱脚

構造

鉄骨造でも木造でも土に接する部分(基礎)は鉄筋コンクリート造になっています。鉄や木は湿気に弱く、その弱点を補うために違う材料を使っています。市中に鉄筋コンクリートがない時代は石で柱を受けていましたが、今は鉄筋コンクリートにアンカーボルトと呼ばれる鉄筋を埋め込んで緊結しなければいけません。ただし、材料の違うものを繋ぐということはそこが構造的に弱点になります。今回は鉄骨造の柱脚を解説します。

構造モデルは3種類

力学的な話になりますが、柱脚(支点)を解析する場合の評価として固定柱脚、ピン柱脚、柱脚バネといった3種類の評価(モデル化)の方法があるのですが、一般的にはアンカーボルトも含めた柱脚バネに置き換えたモデルにする事が多いです。その柱脚部分だけを製品化して売り出す会社もあるくらい多種多様な仕様があります。工場や倉庫などで柱をコンクリートで固定する根巻き柱脚や基礎に柱を埋め込む埋め込み柱脚などは、柱脚をガチガチに固めてしまうので固定柱脚と呼ばれます。

昭和の家はピン柱脚

一昔前は四角い角形鋼管の柱脚部分にアーチ型のくりぬきを作ってその部分にアンカーボルトを配置することでピン柱脚としていました。ピン柱脚は阪神大震災でピロティ架構と並んで被害の多い箇所として緊急で見直しが行われるほどの騒ぎだったようです。(その時はまだ働いてなかったので目の当たりにはしていません)大きな地震が来るまで構造は評価されにくいという事もあり、構造設計は大地震とともに法律や計算方法が進化しています。

施工性とのバランス

鉄骨造の建物というのはある程度柱や梁をバラバラにして現場に運び、現場で組み立てるモノです。順序としては初めに柱を建てていき、下から順番に梁を架けていきます。柱を最初に建てるので、鳶(とび)さんはその上で作業をしないといけません。足元がグラグラしていると不安定になって作業がしにくいそうです。なので、柱脚はある程度しっかりしたものでないとダメなのだと思っています。最初に述べたように鉄骨とコンクリートを繋ぐ部分ですから大きな力が集まるところでもあります。想定以上の力がかかっても大丈夫なようにしておくことも大事と思います。それでも、あまり強くすると過剰設計だと言われるのでバランスが難しいのですが・・

まとめ

本当に鉄骨造というのは水に弱いもので、厨房や台所でむき出しの鉄骨があると錆びてボロボロになっている柱脚をよく見かけます。ひどいものになると鉄骨に孔が開いていたりしてプレート補強が必要になりますが、すでに建っている建物の補強って壁があったり配管がすぐそばにあったりで施工が難しいところが多いです。建物というモノはメンテナンスさえしっかりしていれば結構長い年月持つのですが、鉄骨造にとっての錆は大敵です。木造にとっての羽根アリや水漏れくらいの一大事です。あなたの家は大丈夫でしょうか。一度床下などにカメラを突っ込んで確認してみてはいかがでしょうか。

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