建築の構造設計士の仕事(風荷重編)

あなたは風に飛ばされそうになったことはありますか?建築物が台風で被害が起きないように設計するのも構造設計の仕事です。2018年の台風は記憶に新しい人もいるのではないでしょうか。関西を直撃した台風はタンカーを流して関西国際空港の連絡橋に大きなダメージを与えました。また、SNS上では風に煽られて道で立ち往生していたトラックが横転するシーンも流れていました。大阪や神戸の港の輸入や輸出待ちの車が流されて水浸しになり使い物にならなくなったこともありました。

建築物を設計する際に基本的には建物の開口部をすべて閉じた状態で風を受けても大丈夫なように設計します。なので、飛来物で窓ガラスが割れて建物の中に風が吹き込むような状態になると、設計のときよりも屋根に加わる力が大きくなって瓦屋根が吹き飛んだり、鉄板がめくれたりします。台風の度に屋根の被害が発生しているのはそのように力のかかり具合が変わることが要因になることもあります。

また、瓦屋根やスレート屋根の場合には経年劣化によって下地に固定している金物や釘が錆びたり、下地自体が膨張して強度がなくなったりして隙間ができるとそこから風が入って一気に被害が大きくなることも多いそうです。つまり、すでに劣化が進行している状態の屋根に強風が吹き付けることによってとどめを刺されているともいえます。なので、最近話題になっている火災保険の代理請求の会社に話を聞くと築年数が古い建物ほど台風被害の保険金がおりやすいという話を聞いたことがあります。

千葉の方ではゴルフの練習場のネットを支えていた支柱が倒れて家を直撃したために住めなくなったということもありました。最近ニュースで練習場の土地を売却したお金で保証するということを聞きました。住んでいた方には災難でしたが、ちゃんと保証してくれるオーナーさんで良かったと思います。もしかしたら裁判になって時間とお金もかかった挙げ句雀の涙ほどの示談金しかもらえないという事態になっていたかもしれないので、早くちゃんと保証金が支払わることを祈ります。

鉄柱が倒れてくるのはもちろん想定外なのですが、風にたいしては設計の段階では想定できないようなことが多く起こります。設計で扱うのは台風のように一定期間同じ方向から吹く風に対してなのですが、中には竜巻などのように渦を巻きながら吹き上げるような風にはどのように対応するべきかという基準がありません。なにせ突然発生するために、あまりにもデータがなくて想定が難しいようです。

建物の設計する時には、1.市町村により決まっている基準風速(最大瞬間風速とは違います)と2.建物の高さ(高いほど大きな力を受けます)、3.建設地の周りに風を遮る建物がどれくらいあるかという係数によって力が決まりますので、あまり多くの要素が絡み合ったようなものではありません。高知県や鹿児島県や沖縄県は過去にも強い勢力の台風が上陸しているため1.基準風速は高く設定されていますが、市街地など周りに建物が多いと、海岸などに比べて風の力は小さくなります。

古い建物が残っている以上台風による被害が亡くなることはないのでしょうが、そんなに長くない未来には台風のときにも建物の中にいれば安全安心が保証できて、死亡者数が0になるようになってほしいと願っています。

皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。

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