福岡のマンションでも杭が支持層まで到達していなかった

構造

令和2年7月21日に福岡市東区のマンションで杭が支持層まで到達していなかったとして施工した3社が謝罪しました。マンションの管理会社には5月に謝罪があったらしいのですが、住民からしたらようやくという感じでしょう。1995年の入居開始当時から外壁のひび割れや建物の傾斜や玄関扉の傾きなどの不具合があって、施工会社に苦言を呈していたらしいのですが、ずっと「構造耐力には問題ない」とか「設計図書通りに確実に施工している」という答えしかなかったらしいです。25年経ってようやく主張が認められることになるのですから、住民にとっては長い道のりだったと思います。

私のマンションでは建物が傾いていないので杭に問題はないと思うのですが、横浜でも2015年に杭の施工業者がデータを改ざんして問題になりましたから、どこにでも潜んでいる問題なのかもしれません。

データの改ざんなんてしようと思えばできるのでしょうが、それをする意味が私にはわからないのです。予定していた杭の施工期間が迫っていて、予定通りに終わりそうにないとしても何か原因があるはずですし、杭が支持層に到達していない事は現場監督には報告しているはずですから、杭の施工業者が独断で杭を途中で止めたとは考えにくいのです。(よっぽどコミュニケーション力が低くくて誰にも相談しなったという事があるかもしれません。)

となると、現場監督が予定通りの工期で工事を終わらせるために指示を出したとしか考えられないのですが、昔は杭の施工結果報告書もあるかどうかのチェックだけで中身まで見ていた工事監理者も少なかったはずですから責任の所在というのは結構うやむやになっていると思います。

建物を建てる時に一番大事なのは、しっかりと足元(土台、基礎)を作る事なのです。土の中のことは目で見てわかるものではないので、しっかりと調査をして、それでさらに工事の時にも確認をしながら施工していく必要があるのですが、販売元が大手の会社でも施工するのは下請け、孫請け会社ですからそこまでちゃんと教育をしなければいけません。杭の不具合が発表された会社はそれができていたのかどうか怪しいところです。

今回の福岡のマンションは若築建設、福岡商事、JR九州の三社が共同で施工・販売していました。横浜の時は三井不動産レジデンシャルが販売で施工が三井住友建設でした。これらの名前を見れば、皆さん安心して購入していたのもうなずけます。どうも、「今の日本ではモノづくりの安全性が揺らいでいる」というのがもう使い古された言葉のようになってきました。

今一度、すべての人が世のため人のために自分の役割に誇りをもって仕事に取り組んでほしいと切に願います。「男はつらいよ」でよく寅さんが「お天道様はちゃんと見てるんでぇ」と言っていたのをふと思い出しました。

皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。

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