建築構造という仕事

皆さんは「構造設計」と「構造計算」の違いはご存知でしょうか?建築構造を生業としている人でもあまり意識せずに使っている用語なのですが、プライドを持っている人たちの間では大きな違いがあります。

同じような違いで「構造家」と「構造屋」というものがありますが、こちらの方は「先生」と呼ばれることに慣れている人は「構造屋」と呼ばれると怒りますので注意しましょう。「書道家」と「清書屋」くらいのニュアンスの違いと思えばいいのではないでしょうか。私は落語が好きで先代の桂米朝師匠の落語を聞いて、清書屋という仕事があったことを知りましたが、今どきの人は清書屋という職業があったこと自体を知らないでしょう。

同じ建築を専門としている意匠担当の方でも「構造設計」と「構造計算」の違いを分かっていない人が多くて「これ構造計算しといて」と悪気なく声をかけてくる人が居ます。計算が好きな人では何と呼ばれようと計算ができたら良いという方がたまに居ますが、そのような人はどちらでもあまり気にしないようです。

建築構造分野での仕事内容は「構造計画」→「構造計算」→「構造図」という流れになります。建物の初期の段階で材料は何で造るのか、架構形式はどうするのか、柱スパンはどうするのかという構造計画を行います。それに合わせて意匠の方で間取りや建物の見せ方を考えます。それでプランがある程度固まったところで梁せいや柱の大きさを仮に決めていき建物の高さなど微調整していきます。それで、プランが固まれば確認申請に向けて構造計算書と構造図を作成していくわけですが、私の意識としては最初の「構造計画」を行うかどうかが「構造設計」と呼ぶことができるのかの違いを生むのだと思っています。

人それぞれ考え方が違いますので、私の考え方が正解だというわけではありませんし、高尚な先生が「構造は合理的なデザインだ」いう主張をしていても構いません。金子みすゞさんではありませんが、「みんな違って みんないい」です。一般的な住宅の設計の中では構造体である柱梁はほとんど壁の中に隠れてしまって見えなくなりますし、学校の体育館の屋根などは見上げれば屋根を支持しているトラスや梁が見えるのではないでしょうか。見せるも隠すも構造だけで決められるわけではありません。

医者の世界も分業化が進んで手術も一人の外科医だけでできるものではありませんよね。内科での見立てがあって、レントゲン技師が体の内部を観察できるようにして、麻酔医が患者さんに麻酔します。実際に手術をする外科のほかにも色んな人が周りを固めて手術も成り立っているように、建築の設計も分業化で意匠、構造、設備がスクラムを組んで一つの建物を設計していくわけですから、お互い信頼関係を築き上げていかないといけないのです。その中での呼び方については、立場によってもいろいろあっていいのではないでしょうか。

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