大阪の街中を通る阪神高速道路ですが、いかにも大阪らしい発想で建物の中を高速道路が貫通しているトコロがあるのを皆さんはご存知でしょうか。場所は大阪国際空港(伊丹空港)から大阪市内に向かう11号池田線です。キタの繁華街にほど近い梅田出口がそうなのですが、2020年11月24日の日本経済新聞に記事が出ていたので紹介します。
日本経済新聞の記事はこちら
以前の道路交通法では道路の上や下に建築物を作ることはできなかったのですが、平成元年に立体道路制度という新しい法律ができました。それは「幹線道路などの整備促進と土地の高度な利用に関する取り組みの一つで、道路の区域を立体的に定め、それ以外の空間利用を可能にすることで、道路の上下空間での建築を可能にし、道路と建築物などとの一体的整備を実現する制度です。」という名目で設立されたものでした。要は道路の上とか下にも店やビルを作ってもいいという法律です。その立体道路制度の第一号がこのビルだったんです。
国土交通省の「立体道路制度について」はこちら
それにしても、なぜ建物の真ん中を道路が走ることになったのかというと、当時は高度成長期の終わり位の一番土地の値段の高いころで、用地費用を抑えるために全部を買い取るのではなく一部を借りるという選択肢になったようです。土地の権利者の会社社長に聞くと交渉は先代の社長が当たっていたため当時の詳しいいきさつは分からないそうです。私も存在は知っていましたが、ビルの案内板の表示が「5~7階 阪神高速道路」になっているというのは知りませんでした。
阪神高速鉄道にしてみれば、工事の手間はとても大変になるのでしょうが土地のコストを考えると割安になるそうです。また、地権者からしてみても土地代が毎月入ってきますし、先にビルの方を建築しているので工事の手間はそれほどかからなかったと思います。それでも保守点検はいちいちビルの中を通らないといけないので協力が不可欠です。
今では、大阪だけでも阪神高速道路が建物の中を通るのは珍しいことではなく、なんばハッチやOCATの中を通っていますし、東京でも虎ノ門ヒルズの下を環状2号線が走っていますが、見た目のインパクトは梅田出口が一番だと思います。皆さんも一度大阪に来た時には阪神高速道路から見える景色を堪能してください。
皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。
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