3Dプリンターの実力はいかに

建築一般

2021年8月13日の日本経済新聞の記事に「3Dプリンターで住宅建築」という記事がありました。日本も進んだもんだと思っていたらどうやらアメリカの話のようです。アラブ首長国連邦やオランダでは既に住宅を作った実績があるのですが、世界的にはこれからの分野になります。

日本経済新聞の記事はこちら

3Dプリンターとは

一言でいうと「立体印刷機」ということでしょうか。コンピューターで入力した立体的なデータを元にして素材を積み重ねていって立体物を作る機械です。以前は立体型を作るには型に素材を流し込んで固める方法が一般的だったのですが、2010年代から価格的にも安い3Dプリンターが出始めて一気に広まってきました。2021年現在でエントリーモデルなら数万円から手に入るので、試作品のために金型を数種類作るよりも安価に試作品を作ることができます。また、医療的に使う際には患者さんに合わせて形状を変更するような場合にはもってこいです。素材としては一般的に紫外線を当てると固まるものが使われており、金属や木などの加工には使うことはできません。

10日ほどで家が建つ

アメリカの建設会社では、工場内で3Dプリンターを使った住宅を作って、それをそのまま大型トレーラーで現場まで運んで施工するというビジネスモデルがスタートしています。コンピューターに入力するのにどれくらいの時間がかかるのか分かりませんが、実際の小型住宅なら製造から施工まで10日程度で済んでしまうため、大幅な工期の短縮が見込めますし、天気による影響も受けにくいのではないでしょうか。

費用は?

素材が特殊なので費用は高く付くのかと思いきや、従来の建築費用と比べて30%くらいは削減できるそうです。人の手があまりかかっていないので、その分の費用が安くなって全体的に30%の費用削減となるのでしょう。

日本では

日本では家を建築する時に建築基準法に則って建物を造らなければなりません。今の所、建築基準法には3Dプリンターを用いた建物が想定されていないので日本ではまだ建てることができません。建物に使う部材もJISで規格されたものでないと使うことができませんので、それらの法整備ができた次に日本でのマーケティングが始まるものと思っています。てっとり早く国土交通大臣の認定を受けて建てるという方法もあるのですが、それだと1軒建てるだけで時間も費用もかかりすぎるので住宅には向きません。

まとめ

日本では雪、風、地震といった色んな方向からの外力を考慮して構造計算をしないといけません。あまり雪が降らない鹿児島市でも20cmとか30cm程度の雪の荷重を想定しますし、地震のない地域はないというくらい日本中どこでも地震の可能性はあります。そのような検討までクリアして日本でも3Dプリンターで作る建築物が流通しだすのは、まだまだ先の話かと思いますが、技術は日進月歩で進んでいますので建築士としてウカウカしていられないのかもしれません。

皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。

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