建物のことについて発信していると、情報が寄ってくることもあるもので、設計AIの活用方法についての相談がありましたので、今回は建物の構造設計とAIの融合の可能性について徒然なるままに書いてみたいと思います。
まず、構造設計とは
建物を設計するには土地が必要です。その土地の特徴や長所、短所を考慮して建物の設計を進めていきます。法律で決まっているルールに沿って、配置や建物の大きさを決めていきます。建物の大きさが決まれば、建物の中に壁で区切って部屋を配置していきます。同時に建物の外観をどのように見せるかを考えます。埋め立て地などの地盤の悪い土地では建物下に杭を打つ必要がありますので、部屋の配置なども考慮しながら構造計画を進めます。この構造計画が一番楽しいところですので、AIには譲りたくありません。そして、建物の計画が一段落すれば、コストを出してお客様の懐具合と相談です。そして、工事に向けて確認申請を出すのですが、その為に構造計算書と構造図面が必要になります。できれば、この部分をAIに担当してほしいところです。
次に、AIが得意なことは
AIも万能ではありません。過去のデータをもとに最適だと思われる答えを出そうとするので、ルールに則ってデータを揃えていかないといけません。あくまでツールとして使うべきものなので、設計者に置き換わることはないと思います。将棋や囲碁でプロに勝ったからといって、AIが将棋や囲碁のトーナメントに出ることはありませんし、ディープラーニングを利用して住宅ローンの不正を見抜くことが出来るとしても、AIが住宅ローンの審査をすべてこなせるようになったわけではありません。あくまでも、想定された状況での最適解を求めるだけで安全を保障してくれるようになるのもまだまだ先のようです。
そして、AIに望むのは
建物を作る段階でも、そこにはいろんな人が力を出し合って一つの建物が出来ていきます。設計だけではありません。杭を打つ人、コンクリートを運ぶ人、鉄骨を建てる人、外壁を張る人、屋根を葺く人、壁紙を張る人、木を植える人など、そのような次工程の人の仕事がしやすいように考えるのも設計の仕事です。そこまではAIに任せようとは思いません。任せたいと思うのは前述したように自分が考えた形を計算書や図面といった形にする工程なのですが、AIが得意とするのはデータを利用してシミュレーションすることですから、まずは計画の段階でどのような形で部材を構成するのが最適なのかを見つける事だと思います。気配りのできる設計をAIに期待するのは酷かもしれませんが、できれば次工程迄考慮してほしいですね。
まとめ
以前は一人の設計士が建物の計画をして安全性を確認していたものですが、今では分業制が進んで構造設計一級建築士という免許も新設されているので、一人で何もかもできるようになるとは考えられませんが、クリック一つで建物の設計を出来るようになるのが、AIの目指すところなのかもしれません。
皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。
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