熱海の土砂災害で思うこと

建築一般

2021年7月に発生した土砂災害では上流にある宅地用の盛り土がきっかけとなって大規模な土砂災害が発生したことが分かっています。不適切な盛り土が原因となって30人もの犠牲者が出たので、記憶に残っている方も多いと思いますが、少し振り返りたいと思います。

起点となったのは宅地造成盛り土

今年は雨の多い夏でした。土の中の水は地表面を流れる水よりも流れる速度はゆっくりです。その雨がきちんと整備されていない造成の盛り土部分で溜まっていたのに、追加で大雨が降ったため堰を切ったように土と水が混ざった状態の土石流となって住宅街に襲いかかったのです。後から分かったことですが、静岡県や熱海市は何度か起点となった造成地に不適切な部分を是正するような指示を出そうとしたそうですが、結局指示が出ないまま今回の災害に及んだそうです。指示が出たからと言ってすんなりとそれに従うとは思えませんが、指示が出ていれば今後の裁判での流れも変わってくるんだと思います。

砂防ダムも許容オーバー

元々、熱海市というのは山と海が近いので、土石流が発生することは想定していたようで、何箇所か土石流を止めるための砂防ダムというものが設置されています。それでも7,500m3の土石流を想定した所に56,000m3以上の土砂が流れ込んだようで、下流の被害を食い止めることはできなかったようです。

新幹線の直ぐ側をぬけて

住宅街を襲った土石流は住宅の残骸を飲み込んだ状態で、新幹線の高架下を抜けて海に流れ込んだそうです。土石流の発生時には雨の影響で新幹線の運転を見合わせていましたが、もし、新幹線の運行中に土石流が何らかの被害を出していたらと思うと恐ろしい話です。住宅街を襲ったそのままの勢いで、土石流は海に流れ込んだそうですが、一部の犠牲者は海で発見されたそうで、勢いの凄まじさを物語っていると感じました。

全国調査始まる

これから、全国の3,4万ヶ所の盛り土を対象にきちんと造成の許可や防災措置を講じているかどうかを調査するそうです。全国統一の規制というものはなく、各都道府県や自治体レベルでの基準になるため、今後は法整備も進んでいくのでしょう。私達からしたら、「また仕事が増える」という感じです。数年前に大阪の北部の地震で学校のブロック塀が倒れて女児が被害にあったときも全国一斉調査が有りましたが、今回の調査はそれ以上の規模になりそうな気がします。

安全の課題

安全の基準はやはり災害が起きるかどうかです。大阪北部地震のときには既にブロック塀の基準が合ったのでそれに適合しているかどうかの判断が基準でした。大阪の西成で造成盛り土の上の住宅が倒壊したときも熱海の土石流の起点となった宅地造成の盛り土も一般的な基準を満たさない作り方をされていたと思っています。造成地はブロック塀よりもやり直しが難しいのでどこまで国が是正命令を出すのか気になるところです。

まとめ

建築物を建てるときに、造成地や崖地や擁壁際に建物を建てることもあります。何度か経験したことはありますが、人間の都合で土を止めるというのは至難の業です。高さが高くなるほどイメージ以上の力がかかってくるため、お客さんの思ったような位置に建物を配置できないというようなことも有りました。自然の大きさの前では人間の力なんてちっぽけなものだと感じます。いくら重機の力を使って大きな建造物を造ったとしても、それでも自然の力には敵わないのです。

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