建築士の仕事の違い、意匠系と構造系

建築一般

意匠はデザイン、構造は計算というざっくばらんな捉え方をしている人は多いと思います。正解です。基本的に意匠(デザイン)系の人間が施主(建てる人)と外観や間、取りの打合せをして建物のコンセプトを決めます。その後にどうやったらその建物を安く建てることができるのかを考えるのが構造屋さんの仕事なので、企画の段階で構造が表舞台に出ることはありません。

今日も意匠の方と打合せをしていて思ったのですが、コンセプトを考える人はそれを素人の施主に説明する必要がありますが、構造はめったなことがない限り素人の施主に説明する機会はありません。意匠の建築士でも人見知りする人が居ますが、仕事なので人との関わりあいを避けては通れません。建物を建てたいというお客様から、どのような建物を建てたいのか聞きだしてそれを図面にする必要がありますので、イロイロと聞き出すためにも話し合いは不可欠です。

たまに設計コンペに参加した時には、設計グループとして発表する機会がありました。それでも決められた時間内に発表をまとめる必要があるので、あらかじめ話す内容を考えなければなりませんし、コンセプトや配置や動線を説明する意匠の人に比べると説明の量は少ないです。壇上でプレゼンテーションする時には緊張しますし、あまり構造的な話にどれだけの人が関心を持っているのか分からないので不安でしたし、案の定、最後の質疑の時にも構造に対する質問はありませんでした。普段構造的なことを意識することがないので、しっかりした建物を作ってくれれば安心なのでしょう。

工事中は建物の周りを足場で囲っていますが、完成間近になってその足場が無くなるときに始めて建物の全容が見えます。その時が意匠の人が一番興奮する時だそうです。それまではサンプルと言って、小さな色見本でしか建物の色を見ることはないのですが、太陽に照らされて、しかも大面積になるとそれまでの色の見え方と違ってくるため意図していた通りの雰囲気になるのかどうかの結果発表のような感じになるのが、足場が取れた時だそうです。しかし良くても悪くても思い通りという顔をしなくてはなりません。失敗したという顔をするとずっとちくちく文句を言われますし、最悪、塗り直しなんてことになると目も当てられないからです。

ハウスメーカーなどで何度も同じ色の同じ模様の外壁を使っているような設計担当者でない限り、そのような楽しみをもって仕事をしていると思います。意匠担当のようにデザインする楽しみがある分、無理難題を言うお客様や、複数の意見をお客様に言われて調整したりする苦労があります。先に自分で建物を設計したりするお客様などは、その建物が法律に照らしてみると違法な所があっても、何とかその通りに建ててほしいと言ってきたりするそうです。構造はそのような感情の浮沈がないので、毎日粛々と作業をこなしています。

皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。

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