日本は地震大国で大きいものから小さいものまで毎週のようにどこかで地震が起きています。昔から地震が身近にあったため日本独自の基準も多いのですが、その中でも皆さんに一番なじみの深いものが震度階と呼ばれるもので、一般的に震度1とか震度4とかで揺れの大きさを表しています。一番大きな揺れが震度7で昭和24年から現在まで震度0から震度7までというのは変わらないのですが、もともと8段階だったものが阪神淡路大震災の後に震度5と6が弱と強に細分化されたため、現在は震度0から7まで10段階に分かれています。
それでは、建築基準法では建物は震度いくつまで耐えられるようにしないといけないのでしょうか。
実は何の記載もないのです。
建築基準法で規定されている力というのは地震のような揺れではなく、いろいろな揺れを解析した研究から、ゆっくりじわ~っと建物を押したような力に換算しているのです。地震の揺れのような上下左右に揺さぶられる動きを『動的な力』と言って、建築基準法で規定されているようなじわ~っと押す力は『静的な力』と呼んでいます。動的な力を扱うのは免振建築物や高さ60mを超えるような特殊な建物に限られています。
では、一般的な建物はいったいどれくらいの震度まで耐えれるのかというと、よく言われるのが震度6強までは耐えれるという事です。なぜ震度7ではなく6強なのかというと、震度7というのは最上級の揺れですから上限がないのです。つまり巨大な揺れで地面がひび割れ、ほとんどの建物が倒壊するような事態に対しては保証できないという事です。
よく建築主の方に「周りのほとんどの建物が倒壊しているのに無傷で残るような頑丈な建物にしたほうがよろしいですか?」と聞くのですが、ほとんどの方が「周りと同じでいい」という答えを返してきます。これは、やはり一つだけぽつんと残ると周りからいろいろ言われるという心配も働くのだと思います。
原子力発電所の建屋などはどんな地震が来ても大丈夫なように設計はしていますし、地盤調査も念入りにして明らかな活断層の近くには建築しないようにしています。ただ、日本という国は深くまで調査すれば調査するほど断層に当たる確率は高くなりますので、すべての断層を避けるというのは無理だと思います。
大阪の市街地のほとんどは上町断層の上にあるため、その断層が動くと甚大な被害が出るので強い建物を作った方がいいのですが、建築基準法では埋め立て地も山の岩盤の上も断層の上も建物には同じ強度を求めています。どの地域が揺れが大きいのか小さいのか推測できませんし、道を挟んで向こうとこちらであからさまに強度を変えると設計や工事にも影響が出るから仕方がないのでしょうが、これだけ情報や調査の制度が上がっているにもかかわらず、法律を更新しないのも日本人らしいという事で片づけていいのでしょうか。
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