日本経済新聞の記事で清水建設さんが建物の設計をしながら、構造の解析をしてくれるシステムを開発したとの記事がありました。私たち構造設計は、意匠設計が考えたプランを自然災害や考えられる外力に対して安全であるように設計します。時には意匠の方から無理とも思えるような依頼が来ることもあるのですが、そんな時にはお互いにやりたい事と出来ない事の譲歩をしながら建物を作っていきます。そんな構造設計にまつわる革新的な未来を紹介します。
設計ソフトの革新
冒頭で紹介した清水建設の今回のニュースです。モデリングしながら同時に構造解析もできるというので、家具の配置や部屋の広さを変える度に柱や壁を動かすことが多いのですが、そのような変更に対して間を置かずに解析してくれるという事でしょう。今までなら図面が確定するまで手直しすることが多く、その都度構造計算ソフトで解析する必要があったのですが、今回は設計ソフトの「ライノセラス」と構造システム社の「SNAP」を連携させることで、手間を減らすことができて解析時間を半分に短縮することができるという事です。今まで数カ月かかっていたものが半分の時間になるなら画期的だと思いますが、それを使いこなせる人がどれだけ居るのでしょうか。
日本経済新聞の記事はこちら
3Dプリンター
ドバイの方では実際に3Dプリンターを使った建物が存在しているようです。断熱家王立を高めるためにプリントされた内部の壁など多くの機能があるそうです。3Dプリンターさえ運ぶことができるなら家が建つという未来もありそうです。ただ日本では、建築の材料にはJIS規格品を使わなければならないという法律になっているため、すぐに日本で同じことができるかというと難しいのですが、近い将来には日本でも3Dプリンターで家を建てることができるかもしれません。ただ、日本は台風には重い方がいいし、地震には軽い方がいいので誰が検討するのか興味がわきます。
3Dプリンターで建てた建物はこちら
AI(人工知能)
いわずと知れた次世代技術のホープです。建物の骨組みのモデル化をディープラーニングすることで、自動で計算してくれるようになるでしょうから、将来は構造設計という言葉自体がなくなるかもしれません。電話の交換オペレーターや鋳掛け屋という職業も今はない職業ですから同じような運命をたどるのでしょう。車の自動運転でタクシー運転手という職業がなくなるのと同じです。
まとめ
私が生きている間には構造設計がなくなるとは思っていませんが、次世代まで残っているかどうかは怪しいのかなと思っています。最近の技術の進歩のスピードは目を見張るものがあるので、10年後の私が時代の最先端の技術をどこまで使いこなせているのか分かりませんが、なんとか楽しく仕事ができるように頑張ります。
皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。
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