床の揺れについて

構造

床の遮音性能についての記事はこの前書きましたhttps://house-yaoyorozu.com/2020/04/16/children-step/が、今回は床の振動についてです。この二つについてどう違うのかというと、遮音性能は聴覚的に音がどれだけ小さくなるかという事で、今回は体感的に床の揺れを感じるかどうかという違いです。

FineGraphicsさんによる写真ACからの写真 

スポーツジムなどの施設の設計ではダンススタジオが要注意です。多人数の人間が曲合わせてステップを踏むと床を揺らす大きな振動元となるからです。下の階にリラクゼーションルームがあると最悪ですよね、ゆっくり寝転がっていると天井がぎしぎしと音を立てて揺れるのですから。上の階が広い空間で床が揺れたとしても、下の階には間仕切壁がいっぱいあって床の揺れを止めるようなら被害は小さくなります。

床には揺れを増幅するテンポというものがあります。テレビ局のスタジオなども曲に合わせて踊るグループの時には危険です。曲のテンポと床の揺れを増幅するテンポが一緒だと曲が進むほどに床の揺れがだんだんと大きくなっていくのですから。それを防ぐにはどうするかというと、床の揺れを増幅するテンポを出来るだけ速くするのです。専門用語を使うと床の固有周期を短くするという事です。

bBearさんによる写真ACからの写真 

以前あるテレビスタジオで、開局前にアイドルが踊った際に揺れを感じるという事で、その踊りを再現したことがあるのですが、力強く足を踏み鳴らすよりもグループでテンポよく同時にステップを踏む方がより床の揺れが大きくなると言われたのですが、アイドルではなく同じ会社の有志を募ってアイドルのステップをまねただけだったので最初のうちはテンポがバラバラでちっとも床は揺れませんでした。結局はアイドルの真似をして踊るのではなく、ただテンポよく足踏みをしただけでした。それでもアイドルのステップをまねるよりは床が揺れたため振動の計測はできたのですが、何度もアイドルの真似をしてステップを踏み汗だくになったりして今ではいい思い出です。

普通の住宅では多数の人が集まってダンスを踊るなんてことはないので、あまり床の振動に配慮した設計をしないのですが、特殊な建物の場合には少し気を使います。逆に気を使わないのはスーパーマーケットやショッピングモールです。じっと座って作業をしている人がほとんどいないので少々床が揺れても誰も文句を言わないのです。おかげで設計者も少々なら揺れても大丈夫だという認識ですので、一度近くのショッピングモールに出かけた際には広い空間を見つけてじっと目を閉じて床の揺れを感じてみてください。家で子供が走り回っているときとは違う大きな揺れを感じることができるかもしれませんよ。

皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。

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