建築の構造設計士の仕事(常時荷重編)

構造

前回の地震力の続きです。前回の記事はこちら

あなたが住んでいる家は住宅ですよね?戸建て住宅にしても共同住宅にしても人が普通に居住する空間というのはある程度似かよってくるので、建築基準法では住宅用の荷重というものを決めています。その他にも教室用や店舗用や事務室用など何種類かの用途はある程度統計によって荷重の大きさを決めています。最近は元々住宅用だった建物をリフォームして店舗にするとか、事務所用だった建物をテナントビルにするとかいった案件も多くなっています。

新築時に決まっていた用途以外の使用方法で建物を使うとなると、用途変更の確認申請を出さないといけません。建物の構造的な耐力だけでなく消防法などの法律でも用途によって細かく規定があるのでそれをクリアしないと使用方法を変えることができないのです。

元々大きな荷重を見込んでいた建物が、住宅などの軽い荷重に変更になるなら問題ないのですが、逆に住宅などの軽い荷重しか見込んでなかった建物の用途を変更するとなると構造的に大丈夫かどうかのチェックをするのも一苦労です。また構造計算をした挙句、耐力が持ちませんでしたという事もあるので構造計算をする費用を出し渋る施主も結構たくさん居ます。いわばギャンブルのようなものですからね。

常時建物に作用する荷重としては用途によって決まる積載荷重と、仕上げなどによってきます固定荷重というものもあります。この固定荷重も外壁や屋根を半分以上やり替える時には確認申請を出す必要があるのですが、内装の仕上げをやり替える時や屋根を重ね葺きする時などは確認申請が不要になりますが、大概の施工店の方から構造的に大丈夫かどうか見てほしいと問い合わせがあります。

設計するのに一番苦労するのがテナントビルの設計で入居者が決まってないと、内装仕上げの重量や積載荷重をどのくらい見込んでおくかと思いを馳せないといけません。最近私が設計したテナントビルでは2階にフィットネスクラブが入るかどうかという事が話題になりました。スポーツジムに行ったことがある人は雰囲気が分かると思いますが、マシントレーニングとダンベルなどを使うウェイトトレーニングとスタジオレッスンでは建物に影響する力が全然違うのです。特に大人数で同じリズムで上下運動をする時に建物の床と共振すると建物自体が揺れる事があるくらいの影響力があります。

そういえば、昔大阪ドームができた時にGRAYのライブでお客さんが曲に合わせて縦ノリでジャンプした時には地震が起きたように周りの建物が揺れたそうです。(お鍋から具が飛び出たという話もありますが、真偽のほどは分かりません)それ以来大阪ドームでは縦ノリが禁止になったようで、名前が京セラドームに代わってもコンサートの時にはアナウンスが流れています。ただ、矢沢のエーちゃんのライブでは地盤の固有周期とリズムが合わなかったのか年齢層が高いので動きが鈍かったのか分かりませんが、同じ現象は起こらなかったようです。

皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。

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