この前同級生から「戸建て住宅は構造計算要らないの?」と聞かれたのですが、一言で答えるのが難しくてなんだか長ったらしい説明になってしまいました。その時にお酒が入っていたので、まぁまぁ相手も真剣には聞いてないだろうという思いもあったのですが、どうも他の人に聞いても構造計算が何かという事も分かってなくて一般的な認知度が分からないのですが、構造担当の建築士って知る人ぞ知る存在なのでしょうか。
構造計算不要なものはない
建物を設計するのに構造計算が不要な建物はありません。昔の建物は作ってみてから、何十年も被害が無ければよし、被害があればそれより大きな部材を使ってもう一度建ててみるといったトライアンドエラーで建築を考えていたと思いうのですが、今は木造住宅でもルールに則って設計しています。そのルールを作るときにある程度のことを想定した構造設計を行っているのです。また、建物を建てる時には役所などに確認申請を出して許可をもらわないと建物を建てることはできないのですが、小さな木造住宅なんかの場合には構造の審査がないので提出の義務がなく、設計者の方で確認する必要があります。
つまり
「確認申請には構造計算書は要らない。」しかし「家を建てるには構造計算は必要。」というのが一番的確な答えになるでしょう。
部分的な検討も同様に
小規模建物というのは一般的に調査や検討が簡易なもので良いとされています。多分工事金額自体が安いので調査や特殊なものにあまりお金をかけなくもいいように配慮されているのだと思います。これは何も消費者を優遇しようとしたものではなく、業界からの圧力で定められたように思っています。ハウスメーカーや工務店は設計施工を一括で請け負う事が多いです。その請負金額の中に調査や検討も含まれており、いかにその部分を減らすかという事を考えていますので、業界全体で「まぁそれくらい(適当)でいいじゃないか」という流れになっているのでしょう。
大手でも
以前近所の人から相談されたことがあって、大手のハウスメーカーに地震の時の揺れの件で問い合わせしたことがあります。その時にハウスメーカーは「ちゃんと手順通りに設計しています」との回答でしたが、こちらの「その手順があっているかどうか説明してください」という問い合わせには何一つ答えが返ってきませんでした。どうも話自体がかみ合わなかったのですが、確認申請に構造計算が必要ないから、あまり構造の分かる人を採用していないようでした。
まとめ
建物なんて台風や地震といった災害が無ければ、そんなに被害が起きるモノではありません。普段の生活で構造体に意識が行くことはあまりないと思いますが、いざという時に差が出るのが構造体ですので、そこにお金を出すことを渋るといざという時に大きな出費につながります。どんな建物でも構造計算書は要求していいのでいざという時のための安心材料として作成してもらうのは大事だと思います。
皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。
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