ゼロゼロ物件はアカン！

所有する物件数が少なくて、ローンが残っている方は、空室が有るとローン返済するために手出しが発生するので気が気ではないですよね。空室が続くと、条件を下げてでも早く空室を埋めたいということで、「敷金＝０、礼金＝０」というゼロゼロ物件にして入居者の負担を少なくする方法があるのですが、これはお勧めしません。

敷金と礼金は何のため

まず敷金ですが、これは大家さんからしたら保険のようなもので、家賃の滞納や建物を損傷したときには、この敷金を使って補填するという意味合いがあります。そのため、問題がなければ、退去時には入居者にこの敷金は戻ってくるものです。次に礼金ですが、名前のとおり大家さんに支払う謝礼金のことです。今では、そのまま大家さんの手に渡らず不動産屋さんへの手数料となることが多いのですが、昔は大家さんと入居者の関係が今より親密で、心付けという意味合いが多分にありましたが、その名残が違う名目で残っています。

ゼロゼロ物件のメリット

地域性や入居付けを依頼する店の姿勢にもよるのですが、不動産屋さんから敷金と礼金をゼロにすることを提案されることがあります。その方が不動産屋としては客付けがしやすく、回転の良い商売ができるのです。不動産屋としては入居者から手数料をもらうのも、家主から手数料をもらうのも同じことですから取りっぱぐれはありません。家主からしても一ヶ月間空室で置いておくのと、一ヶ月分の手数料で入居してもらうのはほぼ同じことですからWIN-WINの関係になるように思います。

滞納常習者はゼロゼロ物件を好む

ゼロゼロ物件は、入居さんの立場からは初期費用を安くできるのでお得感はあります。ただし、家賃を滞納する常習者からすると、初期費用が少なくても住む所を確保できるのでゼロゼロ物件を好んで転居を繰り返している可能性があります。経済的に余裕のない人が借りる確率が高くなると、他の入居者の方にも悪い影響が出ることもありますので望ましい状況ではないですよね。

入居者の選定は人任せにしない

最近では連帯保証人不要で、保証会社が保証人代わりになるという入居条件の賃貸住宅もあります。転勤など会社の都合で引っ越しするとか、結婚を気に二人で住むために広めの家に引っ越しするとか、ちゃんとした理由があれば良いのですが、そうでなければ「なぜ引っ越しするのか」「今まで住んでいた物件はどこで、どれくらいの広さで、家賃はいくらくらいだったのか」という２点は確認したほうが良さそうです。特に、入居を急ぐ人には注意してください。何かしらの事情を抱えていて入居を急いでいる場合、住んでいた家を追い出されるという事情の場合もあるのですから。