本屋さんには不動産投資を始める人に向けた本が何冊も出ています。大抵は自分の経験を元に、自分の儲けた方法を紹介しているのですが、中にはフィナンシャルプランナーや不動産会社や工務店の社長が書いた本もあります。そのような本はポジショントークと言って自分のファンを増やして、自分の顧客になってもらおうとした内容が多いです。今回はそのような本によくある数字のマジックを紹介しますので、マジックに引っかからないようにしてください。
新築区分マンションのマジック
一番多いのが、不動産会社や工務店の社長が書いた本などにある。「新築の区分マンションを買えば、将来の年金対策にもなるし、税金対策にもなりますよ。」というモノですが、大体ローンの期間は長いものでも35年というモノが多く、ローンを返し終えたら(35年後には)家賃がそのまま手元に残るので年金の代わりになります。ただし、2000万円の投資額で1000万円くらいのリターンになるというイメージを持っておく方がいいです。それよりも2000万円投資して3000万円のリターンを狙えるような投資の方がいいのではないでしょうか。
新築アパートのマジック
これは、工務店の経営者が書いたような本に多いのですが、「立地が良く駅の近くなら、少々土地の形がいびつでも新築アパートを建てて、不動産経営をすれば入居者が入りやすくていいですよ。」というモノですが、自分の工務店で建ててくれたお客さんは、修理や改装なども自分のところの工務店で工事してくれるので上客になりやすいです。そのため、少々利益が出そうな土地ならおだてて買わせて工事を請け負うわけですが、立地が良く駅近の土地なら空室リスクは低いのですが、工事金額が高額になりやすく1000万円の投資に対して1200万円くらいのリターンになるというイメージを持っておく方がいいです。それよりも1000万円の投資で1500万円のリターンを狙う方が私は好きです。これは、空室リスクが低いのでリターンが低くても、その分安心感のある投資がいいという人には向いているかもしれません。
キャッシュフローのマジック
これも本の内容で多いのですが、「1000万円の区分マンションをほぼフルローンで購入して、家賃が6万円、借金の返済が4万円、管理費と修繕積立金が1万円で手元に1万円残ります。」という話です。これだとある時期から手元に残る金額は0かマイナスになります。購入時よりも家賃を上げることは可能ですが、固定資産税や修繕積立金の上昇で出費が増えるリスクがありますので、ほぼフルローンとせずに繰越返済するか、手数料を上乗せした金額で売却する方が得策だと思います。フルローンなので投資金額は少ないのですが、空室リスクや出口戦略の加減を間違うと総収入よりも総支出の方が上回るという事にもなりかねませんので注意が必要です。
新築時の家賃と中古の家賃
大体の本には「家賃は新築の時が一番高く年数が経つごとに年々下落していく」という事が書かれています。ただ、新築の時から10年以上住み続ける人も居ますし、外観・内装共に綺麗な状態ならそんなに下落リスクはありません。それよりも街中のように供給量が需要以上に増えたエリアは家賃が下がりやすいですし、中古なら10年単位で少し下がるかなくらいのイメージでもいいと思っています。家賃下落のリスクを心配するよりも、どうしたら家賃を上げることが出来るかを考える方が建設的だと思っています。
まとめ
本を読んで参考にするのは良いことなのですが、同じ本の中でも矛盾する内容が書かれていることも結構多いです。なので、本に書いてあるからと言って鵜呑みにせず、何事も経験で足らない部分を埋めていくしかないのかなと思っています。不動産投資に正解というモノはなく、多くの選択肢の中から自分に合ったスタイルを見つけていくものだと考えています。
皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。
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