建築業界も近年は細分化が進んでいます。大きな会社では①意匠(デザイン)②構造③設備④見積もり⑤現場管理⑥工事監理⑦営業くらいでしょうか。お医者さんの世界の内科、外科、神経科、麻酔科などの分担に似ています。そこまで大きくない会社だと意匠が営業活動をしたり見積もりをしたりと兼業します。
現場管理と工事監理の違いがわかりにくい人もいるかと思いますので少し説明しますと
現場管理(タケカンムリの管理なので略してタケカン)というのが実際に工事現場にいて設計図をもとに建物を作ったり工程管理をしたり施工業者の方と段取りの打ち合わせをする人を指します。
工事監理(サラのつく監理なので略してサラカン)というのが、工事現場の区切りで設計図通りに建物が作られているかどうかの確認をする人を指します。大体は設計図を書いた人がするのが多いと思いますが、工事監理専門の人も居ます。
皆さんがご自分の家を作ってもらうときにはまず営業さんとイメージを練り上げていって、ある段階まで話がまとまればそれを意匠担当がスケッチなり図面なり3Dモデルなどに具体化していきます。最初はザックリとしたところから金額も段々と正解に近づいていくのですが、裏では見積り担当が仕様とにらめっこしながらその都度金額を割り出していきます。細かいところまで決まれば、その家を作るための許可を行政機関に申請しないといけません。それを確認申請といいますが、その書類作成のために構造担当、設備担当がそれぞれ構造図、設備図を作成します。確認申請が降りれば建物着工となり現場管理担当の工事マンの出番です。めでたく建物が完成することを竣工といいますが、計画から竣工までにお客様と顔を合わすのはいろんな担当者が居ても1人~3人だと思います。ほとんどの担当者は裏方なので問題が発生しない限り表には出てきません。
意匠、構造、設備など設計図を書く部署には図面だけを作成するCADオペレーターという方を雇っている会社もあります。担当部署の中でさらに細分化されているのですが、最近では2Dから3Dモデルに変わりつつありますから更に分業が進むと思います。
今はもう手書きの図面なんて見ることはなくなって、すべての人がパソコンを使ってCAD図面を作っているのですが、2D(平面)のCAD図面は手書きの図面を清書しているだけの感じなので日本以外の国では無くなりつつあります。日本の施工業者の方は技術力があって2Dの図面からでもちゃんとした建物を作ってくれるのですが、世界では色んな人が現場で働いており図面を読み解くことができない人もいて面白い現場もちょくちょくニュースになっています。3D(立体)だとモニターを目で見れば、出来上がりが容易に想像できるので施工業者の方の技術力が低くてもちゃんと仕上がるそうです。パソコンの性能やクラウドの環境も整ってきているので、段々とストレスなく3Dに移行していくのでしょうね。お客様にとっても立体モデルのほうが完成したときのイメージがつきやすく好評です。
色々な役割がありますので、ご家族や親せきに建築関係の方がいたらどの役割を担っているのか聞いてみても面白いですね。
家のことで気になることがあれば、無料相談に乗りますのでメールしていただければ少しだけお力になれると思います。(間取りを考えてくださいとか設計業務はできませんのでご了承ください。)
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