風荷重の扱い

構造

ちょっと前までゲリラ豪雨が話題になっていましたが、最近では線状降水帯が頻発して土砂災害がよく起こるようになっています。雨で建物が壊れるという事は無いのですが、雨と同時に風が吹くことも多く、風による建物の被害は今迄からも多くあります。一番皆さんの身近に感じることのできる風の被害は台風でしょう。今回は風による建物の影響を説明していきます。

風荷重の改定は2000年に行われた

1950年に建築基準法が出来て以来、風荷重について初めての改定が2000年に行われました。それまでは全国一律の荷重だったのですが、地域性を考慮して基準風速というモノが定められました。単純比較はできないのですが、それまで東北や北陸や山陰を中心に大きな台風被害を受けていない地域についてはそれまでより少ない荷重で検討できるようになったように思います。

周辺の影響も加味して

新しい基準では地表面粗度区分という周りの建物の多さを考慮する項目も新しく導入されて計算内容は複雑になっています。周りに何の建物もない吹きっさらしの場合だと区分Ⅰになって風荷重が大きくなります。私も最近知った事なのですが、建物では13mより低い建物は区分Ⅱよりも風荷重が小さくなる区分Ⅲに分類されるのですが、太陽光パネルの架台の場合はそのような低減措置がないので注意が必要です。

今までに大きな台風被害があった地域

高知県の室戸や沖縄などはもちろん基準風速が大きく、それに伴って大きな風荷重に耐えることができるような建物になっています。沖縄などは昔から低い建物で重たい瓦屋根を載せることで風に耐えるようになっています。いまでも鉄筋コンクリート造の建物の比率が一番高いのが沖縄県ではないかと思うほど至るトコロに鉄筋コンクリート造の建物があります。日本の場合には風に耐えるように建物を重くしてしまうと、今度は地震による力が大きくなってしまうので、それが構造泣かせなところです。

竜巻は特別扱い

台風以外にも風の影響として竜巻が有るのですが、竜巻についてはまだまだ被害自体が少なく、どれくらいの荷重で評価してやったら良いのかという実測のデータが乏しいため普通の建築物では見込んでいません。台風や熱帯低気圧は影響の範囲が広くて来ることが事前にわかるのですが、竜巻は急に発生するので、計測が難しいのでしょう。もし竜巻の被害にあったらそれは運が悪かったと諦めるしかありません。2006年には北海道で、2012年には茨城県で竜巻が発生したというニュースが有りましたが、車も木も家ですら巻き上げるのですから凄まじい威力だと思います。木造家屋がそのままひっくり返っているのですから木造では何をやっても無駄なような気がします。

まとめ

実際に風が吹くと、風が当たる面以外の屋根面や壁面にも影響を受けるので計算はすごく複雑になるはずなのですが、法律ではそれを簡易な計算式にしています。それで、最近では風だけによる被害はだいぶ少なくなっているのですから日本の法律は大したものだと思います。

皆さんも頑張って広告や新聞やニュースの裏を読んでくださいね。

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