行政処分のレオパレス

建築一般

経営再建中のレオパレス21が愛知県から行政処分を受けましたが、会社として行政処分を受けるのはこれが初めてになるとのことです。これまでの経緯と建築業界を取り巻く問題や闇の部分を掘り下げたいと思います。

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事の経緯

2018年に共同住宅の各住戸の間にある界壁の施工不良が問題になりました。火事が起きた時に天井が燃えても隣の家に炎が燃え移らないように界壁は上の階の床まで延ばさなければならないのですが、レオパレスの多くの物件できちんとした施工がされていませんでした。また、壁の中も音を吸収するようにグラスウールが入っていなければならないところを発泡性のウレタンフォームになっていて、遮音性能も低いという事でした。これはただのミスではなく、組織ぐるみでコストのちょろまかしをしたと思っています。役所に出す確認申請の図面ではちゃんと法に則った図面になっていて、それをもとに建て主と契約をしているにもかかわらず1、2棟ではなく1,000棟を超える建物がそのようになっていたのですから疑われても仕方ないと思います。

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他の施工不良と偽装

建物にまつわる耐震偽装と言えば真っ先に上がるのが姉歯問題ですが、それ以外にも東洋ゴムやKYBの免震装置の検査記録の改ざんやフジテック製エレベータの鉄骨の強度不足など枚挙にいとまがありません。大手ハウスメーカーでも型式認定というルールに従って建てたはずの建物が型式認定外でした。という事例もあるくらいに設計図の段階から間違っていることもあるくらいで施工不良と呼んでいいのか何なのか分からない事例もあるくらいに施工不良はあります。

施工不良はなくならないのか

基本的に設計者と工事の施工者は別の会社が受け持つので、設計者の書いた図面通りに建物ができているかどうかというのを工事監理者(普通は設計者が兼務)がチェックするのですが、設計・施工の担当者共にすべての設備に精通しているのかというとそうではありません。どのようなネジを使うのかという知識が工事監理者にあるのかというとそうではありません。(工事管理者は知っているかもしれませんが)また、耐火性能は同じだから設計図の壁を少しだけ変えてもいいかと聞かれれば、「性能が同じならいいか」と考えてしまったりします。本当は耐火性能が一緒でも遮音性能が違っていれば変えることはできないのですが、他の事に気を取られているときに質問されるとそこまで気が回らなかったりします。そのようなミスによる施工不良は表面に出てこないだけでまだまだ存在していると思っており、施工不良を0にする事はできないと考えています。

まとめ

2018年の4月に施工不良が発覚してから3年が経ちましたが、今回が会社としては初めての行政処分でびっくりしました。今まではどうだったかというと、所属する一級建築士に対しては昨年に「監理者としての責務を果たしていない」という事で免許剥奪という行政処分が下りていました。今後もほかの都道府県で同様の行政処分が続くなら、会社の再建計画が大幅に狂い、その被害を被るのはオーナーさんですから、ひどいとばっちりが回ってくるかもしれません。レオパレス21は施工不良問題以降、入居率も下がっているようですし問題は山積みです。

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