日本の人口が約1億2000万人、その内労働人口が6600万人、そして建築業界で働いている人が500万人なので、労働人口の7.5%が建築業界で働いていることになります。これは13人に一人は建築業界で働いているということになりますね。1クラスで3~4くらいの割合ですね。工事現場に行くといろんな作業をしている人を見かけますが、本当に様々な方の手によって建物ができていっているのを実感します。
ただ、多種多様にわたって業種がありほとんどが中小企業で成り立っています。そして、一人でお仕事をされている方も居て「一人親方」と呼ばれています。大企業以外はまだまだ週休一日というところも多くて工事現場も大体土曜日も作業をしているのではないでしょうか。二日で終わる仕事があったとして、二週間で5件仕事をするのか6件の仕事するのかで収入が1.2倍は変わってきます。そのため、土曜日も働いて収入を上げたいと考えます。
大企業の工事現場だと「働き方改革(働かせ方改革?)」の影響もあって徐々に週休2日のところも増えてきています。それでもまだまだ極ごくわずかだと思います。私の印象ではまだまだ業界全体がブラックなイメージが拭えない感じですね。ブラック企業の定義が詳しくわかっていませんが、雨が降れば外での作業は遅れるし、台風が来れば他の被害で手を取られるし計画通りに工事が進まないことが多いのが建築現場です。それでも、予定の工期には建物を竣工させないといけないですし、店のオープン予定に間に合わなかったら違約金を取られるのですから大変です。
自分たちの手で建物を作り上げる、設計が好き、そのようなモチベーションがないと建築業界ではやる気が続かず嫌になると思います。これからの風潮がどのように変わっていくかは未知数ですが、私は我が子に今のままの建築業界に入ってほしいとは思いません。(そんな情熱があるとは思えませんので・・)以前は3Kと言われた現場仕事も少しずつ改善していますが、一つとして同じ土地へ同じ建物を建てることはないので機械化が難しいのもまた事実です。
一昔前くらいから人手不足と言われていますが、地方の現場での人手不足は深刻化してきています。70歳目前かと思うような方がフラフラとした足取りで6mくらいの鉄筋を運びながら二人で鉄筋を組んでいる現場を見たことがあります。かくしゃくとしているのですがやはりその時には工事現場の高齢化問題と後継者不足を痛感しました。
海外からの労働者も増えてきています。知り合いの鉄骨工場の経営者は月に一度はマレーシアの技術学校に視察に行くそうです。そうしないと経営自体が成り立たなくなっているようでいろいろな所で日本の問題を垣間見ることができます。基本的に建築の工事はお客様からの依頼を受ける元請け業者から下請け、さらに下請けへそこからまた下請けへとピラミッド状に仕事が流れていくので下の方で受けた業者は安い賃金で仕事を受ける必要があり大変だとは思います。儲かるのはほとんどが大手の元請け業者ですから不健全と言われてもしょうがないと思います。
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