すいません、いきなり喧嘩を売っているわけではないのですが全く欠陥がない建物ってないと思ってください。前提として建物は一つとして同じものはないという事実が大事になってきます。電化製品など工場で作るものは流れ作業のように1品ずつ検査をすれば不良品を見つけることはできます。製品を同じ工程で制作するのでチェック項目も決まっていますし、同じ環境で作るのでほぼ同じものが作れます。
では、建物はどうでしょうか。コンビニなどは同じ間取りなので同じように作れると思われるでしょう。それでも、海の近くにあるのと山に近いところでは環境が違います。なにより同じ地盤に建てることはできません。工場で作る製品と違って現場で作るので建築物はその場所の環境の影響を受けやすいのです。雨の日も風の日もありますし、夏と冬では温度も違います。基礎のコンクリートは特に温度の影響と風の影響を受けやすいですから、打った後しばらくは温度が上昇しないように、乾燥しないように養生が大事になってきます。
さて、工事は誰が行うのでしょうか。現場監督は全体を見るためすべての作業を行うことはできません、というか基本的には作業を行いません。工事を行うのはその職種の現場作業員の方です。コンクリートを打設するのはコンクリート工さん、柱や梁を組み上げるのは鳶(とび)さん、室内の壁を仕上げるのはクロス屋さん、内装全般は大工さん、数え上げたら切りのないくらいの人が家造りには関わっています。その人達の中にはアルバイトで働いている人も居ますので、全員がプロというわけではありませんし、熟練職人ばっかりというわけでもありません。やはり多くの人が居ると技術力に高低差があります。
現場監督も人の子ですし、サラリーマンです。特に若いうちは目上の人に強く意見できない人もいるでしょう。あまり多くの物件を抱えていると目が行き届かないこともあるでしょう。それでも100%に近づくように努力しています。しかし、検査は100%でなくても合格するのです。例えば溶接は抽出箇所30箇所あたり1箇所の不合格ならそのロットは合格で、2~3箇所でも再検査で、不合格箇所が4箇所以上になるとロットは不合格なのです。それを他の工業製品のメーカーさんに話ししたら「不合格を許容するなんて信じられない」と仰っていました。
よく日本の製品は故障が少なく海外でも評判がいいと言われますが、建築物については世界最高レベルの地震の安全性と台風による風の安全性を兼ね備えていると言えます。地震が起きる地域は世界中でも珍しいですし、そこに大型の低気圧が通ると言う地域も限られています。それに地震について言えば建物は軽いほうが良いのですが、台風などの風に対して言えば建物は重いほうが良いのです。
コンクリートも木材も鉄骨も温度とともに伸び縮みしますので、その割合が違うとどこかで不具合が出てきます。特にコンクリートは縮むとひび割れ(クラック)が発生するので、見た目的には綺麗とは言えませんよね。施工してから引き渡しまでに発生したひび割れなら完了検査のときに一言いえば何とかしてくれるかもしれませんが、住んでしばらくしてからは言いにくいものです。
昔は柱に子供の身長を刻んでいた家庭も多かったと思いますが、今は柱自体が見えない家も多く愛着のある傷も減っているのではないでしょうか。家も住んでいる方たちとともに歳を重ねているんだと思って大事にしてあげてください。+
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