訳アリ物件とは(その二)

建築一般

前回に続いて訳アリ物件についての考察です。不動産投資をしようとして物件を探しているとやはり中古物件がメインになります。圧倒的に物件の数が違いますし、コストメリットもありますので、どうしてもそのようになります。その際に完了検査済み証が有るかどうかを確認しています。関西近郊での物件では2000年以前だとまずほとんどの物件で完了検査済み証が残っていません。当時から法律としては整備されていたのですが、工事の時に確認申請とは違う建物にしたから検査済み証が残っていないのか、面倒くさいので検査を受けなかったのかはわかりませんが、証がないのです。売買の時に問題になることはありませんが増築や建て替えをするとなると必要になりますが、不動産投資は基本的にそこまでの手を入れることはないです。ただ、このケースも訳アリ物件の一つと言えると思います。

TECHDさんによる写真ACからの写真 

神戸市では中心部の三宮地区でのタワーマンションの建設を規制する動きを見せていますが、今タワーマンションに住んでいる人たちにとっては眺望権を侵害される心配がなくなってホッとしている人もいると思います。以前読んだ記事では「海の眺望が抜群」といううたい文句のマンションの高層階を購入した人が、そのマンションを建築した業者がすぐ近くに新しくマンションを建築して海が見えなくなったという事で裁判を起こしたという記事を見たことがあります。このケースは購入した時には訳アリ物件ではなかったのですが、近隣に新しく建ったマンションのせいでその人にとっての訳アリ物件になったケースですね。新しいマンションが建った後で入居した人にとっては元から海が見えないので、少々眺望が悪いくらいで納得して購入しているので訳アリ物件ではないかもしれません。

毛並良好さんによる写真ACからの写真 

私の家の近くで1982年に工場が爆発するという事故がありました。200名もの死傷者が出て近隣の1700ほどの住宅にも被害が及んだ大爆発でその跡地は近年になるまでずっと何も建設されないまま空き地としてほったらかしにされていました。それが、34年経ってようやくショッピングモールとして生まれ変わったのですが、化学薬品を扱う工場が爆発したので土壌汚染の調査や処理にかなりのコストがかかったと思います。それでも立地がいいことから今は大繁盛していますが、私は子供だったため爆発した時には新聞も読んでおらず大人になってこんな立地のいい場所がなぜずっと空き地のままなんだろうと不思議に思っていた記憶があります。これは、身の回りにある一番の訳アリ物件だったと思います。

東京狸さんによる写真ACからの写真 

また、覚えている方も多いかもしれませんが、2005年には耐震強度構造計算書偽装事件というものがありました。私の当時勤めていた会社でも総出で過去の構造計算書を引っ張り出してきて偽装された痕跡がないかチェックしていました。そのあと建築構造をやっているといっても通じない場合は姉歯さんと同じ職業なんですというだけで通じることも多くなって、構造設計者の知名度がずいぶん向上したことは本人にとっても怪我の功名だったかもしれません。彼の設計した建物に住んでいた人たちにとってはこれからもずっと話の話題に事欠かないであろう訳アリ物件になったのではないでしょうか。

住んでいる家が訳アリ物件なのかどうか、本人にとっては心理的に問題があってもそれがすべての人にとっての問題になるとは限りませんので、裁判を起こすとしても勝てるかどうかはいろんな弁護士に相談する必要があるかと思います。

家のことで気になることがあれば、無料相談に乗りますのでメールしていただければ少しだけお力になれると思います。(間取りを考えてくださいとか設計業務はできませんのでご了承ください。)

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